前回の「サッカーのゴールキーパー出身によくある失敗(ブロッキング編)」の続きです。
今回は、ゴレイロに最も重要な、ブロッキングの姿勢を確認していきます。
● ゴロのキャッチの姿勢と比べて見よう!
サッカーのGKをやっていた人は、
ゴロやショートバウンドのボールをキャッチする時に癖づけてきたお馴染みのフォームがあると思います。
片膝を立ててしゃがみ、もう片方の足は後ろではなく横へ折り、手は前へ差し出す。
この形でした。
ブロッキングではなく、ゴロのボールがきた時のキャッチは、この形でキャッチしましょう。
しかし、これを嫌と言うほどやってきたサッカーのGKが、
フットサルをやると、よく起きる失敗があります。
ブロッキングに行く時に、両腕が広げられないのです。
まずは、ブロッキングの正しい形を見てみましょう!
元日本代表ゴレイロの川原選手です。
● なぜ、ゴレイロ達は両腕を広げるのか?
そもそもブロッキングは、ボールをキャッチする事を第一に考えて行きません。
PKの時の考え方同様、あくまでも、ボールに身体を当てる事が優先です。
キャッチできるようなヘナヘナボールが来た時だけキャッチしようかな、
くらいの気持ちで、キャッチではなく、身体をボールに当てに行きます。
という事で、手や腕はキャッチをする構えではなく、
シュートブロックが出来る面積を広げる為に活用するのです。
サッカーのGK出身だと、これが中々出来ず…
腕が身体で消している面積の中に入ってしまいます。
顔や金的を守りたい防衛本能もあるかもしれません。
しかし、ゴレイロたる者、喧嘩に負けないくらいの意地が必要です。(笑)
正しいフォームは、
サッカーのGKのゴロボールのキャッチの姿勢に加え、両腕を広げたもの。
シュートコースを三角形に消す事になります。
これがベース(※)になります。
※これは、あくまで定番の守り方です。これしかしていないと、ジャンケンでパーしか出していないようなものです。(笑)
上手い敵プレーヤーには、空いた隙間に蹴り込まれます。よくあるのは、顔の真横。
そこで、腕の位置を変えて、敵のシューターと駆け引きをしましょう。
また、指先には力を入れる事も忘れないでください!
これは、バレーボールのブロックで指先に力を入れる事と同じ理由です。
怪我しないため、そしてボールに負けないためです。
● ブロッキングの基本姿勢に、腕を振る動作を加えてみよう!
▼【注意】身体の頑丈さに自信がない方や、普段から日常的に筋力トレーニングや柔軟をしっかりとやっていない方、競技レベルでゴレイロをしていない方はやめておきましょう。▼
さて、このブロッキングの基本姿勢に慣れてきたら、
次は、ブロッキングの基本姿勢に加えて、
両腕を後ろから前へバットのように振り、ボールを跳ね返す力を加えましょう。
腕や手のひらの位置にシュートが当たる瞬間…引っ叩くのです。(笑)
先の、元日本代表川原選手の動画でも、
よく見ると、ちゃんと腕の勢いを活用しています。まさにお手本です。
この動作(ブロッキング時に両腕をボールに対して振る事)は、
様々なブロッキングの形で使います。
なぜ腕を振るのか?
相手が上手くなればなるほど、ボールのスピードが上がります。
ボールのスピードが上がると、胸や脚とは違って、
腕ではボールのコースを変えるのに充分な力がありません。
なので、しっかりと腕は勢いをつけて構えるのです。
ブロッキングで腕を振る時の注意点は4つです。
1.指先に力を入れる!
ボールの勢いに負けてしまったり、怪我をしないように、
指先にはしっかりと力を入れます。
手や指は、バレーボールのブロックのイメージです。
2.腕は身体より前へ振りすぎない!
腕を振る時に、必要以上に身体より前へ腕を振っては、
突き指をします。
振る動作は、身体から後ろから身体までのイメージで、
身体から前へは振りすぎないようにしましょう。
3.目をそむけない!目を閉じない!
ボールが目の前でどう動くかは分かりません。
キャッチではなく、ブロッキング・・・壁を作るだけ・・・とは言え、
相手がキックミスする事や、
ループシュートを打たれる事、
ドリブルでかわしに来られる事、
その他いろんなイレギュラーな状況が起きます。
ゴールしない最後の最後まで絶対に目をそむけないようにしましょう。
4.両腕を斜め下で振るのはあくまで“基本”姿勢!
敵シューターのレベルが上がってくると、
ゴレイロの腕の位置を見て、
開いているコースに蹴り込まれます。
状況によって、腕を斜め下で振るふりをして、顔の横まで上げたり、
腕を顔の横まで上げておいて、身体の横(斜め下)で振ったり、
相手とジャンケンのように駆け引きをしましょう。
が、実際の所、競技レベルまではド定番の斜め下で大体止められます。
▲【注意】身体の頑丈さに自信がない方や、普段から筋力トレーニングや柔軟をしっかりとやっていない方はやめておきましょう。▲
● 両腕の面積を活用したブロッキングの姿勢は、無意識レベルまで高める!
サッカーのGK出身のゴレイロは、注意をしていないと、
すぐに癖が出て、腕が広げられないままブロッキングしてしまいます。
これを治すには、ちゃんと反復練習をして、
無意識に行えるレベルまで修正していかないといけません。
無意識→意識→無意識
この考え方は、フットサルのゴレイロにとって非常に大切です。
一瞬で考え、決断する場面もありますが、
速すぎるゲーム展開やシュートには、
決断ではなく、条件反射で動く必要があることが多々あります。
また、条件反射で悪い姿勢になってしまっては、失点する事もあります。
だからこそ、ゴレイロは、意識的に練習を繰り返して、
最終的には無意識で動作できる範囲を広げていく必要があるのです。
初めは無意識だった事を…
確率の上がる方法を学び、その方法を意識して反復練習し…
最後には無意識で行えるようになる…。
無意識→意識→無意識
このプロセスで、自らを進化させていきましょう!!!
因みに、この成長方法は、ゴレイロの様々なプレーでも言えます。
今回の「両腕を広げたブロッキング」も、この一つですね!!
(つづき) >>サッカーのゴールキーパー出身によくある失敗(ブロッキング編3)
(前回)<<サッカーのゴールキーパー出身によくある失敗(ブロッキング編)
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