前回の「サッカーのゴールキーパー出身によくある失敗(ゴールクリアランス編)」の続きです。
● セービングよりブロッキングが大事な場面が多い ~ゴールやコートサイズによるプレースタイルの違い~
サッカーのGKでは、飛んでくるボールに対して飛びつくようなセービングが特徴的ですよね。
また、そういったプレーがGKには指導・推奨されています。
それもそのはず、サッカーのゴールは大きい(横幅7.32m×高さ2.44m)からです。
飛びつかなければ、ボールに触れられる可能性が低いという事ですね。
フットサルではどうでしょうか?
フットサルはゴールが小さい(横幅3m×高さ2m)ですね!
しかし、喜んではいられません・・・。
サッカーの最終スコアは「0-0」なんてことがある中、
フットサルでは「5-6」なんてこともあるくらい、得点数が多いスポーツです。
つまり、ゴレイロにとっては、失点されやすい過酷なスポーツです。
フットサルでは「勝敗の5割はゴレイロが決める」と言われるように、
ゴレイロはサッカーのGK以上に結果に関わる機会が多いですし、
過酷な状況が好きだからこそ、皆さんはゴレイロを楽しんでいるのだと思いますが。(笑)
コートも狭いです。
その為、至近距離からの速いシュートがごく普通にきます。
ある程度は身体能力頼りで飛びついてセービングしたり、
手足を伸ばしてセービングしていけますが、
速すぎるシュートや、敵との1対1の場面でこの方法(待ち構えてセービング)を選択していては、
PKを止めるよりも無謀です。
● ブロッキング(ブロック)という選択
そこで、「ブロッキング」です。
呼び方は「ブロック」でも大丈夫です。
まずは、正しいブロッキングの姿勢を見てみましょう。
飛んでくるボールに対して前に出て、
身体で壁を作って、身体に当てにいきます。
前に出てボールまで距離を詰めると、
ゴールの40%~95%くらいの面積が埋まります。
前へ出遅れて詰めた時など、60%しかシュートコースを消せてないブロッキングをしたら、
上手いプレーヤーには残り40%の空いているコースを狙い撃ちされるでしょう。
こうならない為にも、しっかりとゲーム全体の流れを読みながら、
ブロッキングは計画的に行います。
ある程度のレベルの試合までは、飛びついてセービングするよりも、
この“ブロッキング”をしていくだけで、
飛躍的に「あのゴレイロ上手い!」と言われるレベルになれるでしょう。
●なぜ、セービングよりブロックが大切か?
専門外の事で例えるのは良くないとは思いますが、
あえて、バレーボールで考えていただきたいと思います。
バレーボールの守備では、
ブロックに行く人がいて、
その隙間から抜けてきたボールは、
後ろの選手がカバーします。
もし、ブロックの選手が1人もいなければ、
殆どのスパイクが入って得点しまうでしょう。
超至近距離から高速のボールが飛んでくるという状況は、
ゴレイロと近いものがあります。
ゴレイロにとって大切なのは、
少しでもゴールを守れる可能性を上げる為、
ボールに近づいて、自分の背後のゴールの面積を狭める事なのです。
※1対1のときに限ります。
1対1ではない(味方の守備により前に壁がある)時などには、
もちろん、後ろで最後の砦となり、
体を投げ出したセービングをしてでもゴールを救うこととなります。
しかし、繰り返しになりますが、
速すぎるシュートや、敵との1対1の場面で、
待ち構えてセービングをしていては、
PKを止めるよりも無謀なのです。
※サッカーの1対1でも前に出ることは基本です。
しかし、フットサルはプロでもゴール前に人が殺到する場面の多いスポーツの為、
誰が前に出る選手なのか?それを改めてはっきりとさせましょう。
サッカーのゴールキーパー出身のゴレイロは、
その状況の違いからか、
前に出る役割が自分の役割である場面であった事に気づきにくく、注意が必要です。
一旦、サッカーとフットサルを別のスポーツとして考え、
ブロックの技術だけでも習得していきましょう!
(つづき) サッカーのゴールキーパー出身によくある失敗(ブロッキング編2) >>
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