サッカーのゴールキーパー出身によくある失敗(ファー詰めストップ編2)

前回の「サッカーのゴールキーパー出身によくある失敗(ファー詰めストップ編1)」の続きです。

● ファー詰めをストップする4つの方法

ファー詰めをストップする方法は、4つあります。
1.そもそもフィールドプレイヤー(FP)にパスカットさせる。マークミスをさせない。
2.ゴレイロが斜め前に足か手を伸ばして、パスカットをする。
3.折り返されたファー詰めシュートをブロッキングする。
4.ファー詰めを蹴り込む選手(パサー/キッカー)へブロッキングする。その際、ファーへのパスコースは足で切り、ニアへのシュートコースは身体全体でブロッキングする。

「4」:非常に難しいブロッキング方法で、
Fリーグのゴレイロ達でこそやっていますが、
地域リーグの下位レベルでは、なかなか見かけません。
職業のレベルまでやっていないと出来ないプレーだと思いますのでここでは割愛します。
機会があれば理論だけでも解説します。

 

● 1.そもそもフィールドプレイヤー(FP)にパスカットさせる。マークミスをさせない。

「1」:本来目指すべきは、これです。
FPがマークミスしなければ良い。
その為に、ゴレイロに大切な仕事があります。
“コーチング”です。

展開が速いフットサルにおいて、
一番後ろから盤上を俯瞰的に見られるポジションはゴレイロだけです。
FPが背後を取られたり、死角を取られている時に危険を察知し、
伝えてあげられるのはゴレイロだけです。

「ファー見よう!」とか、「ファー詰めされるな!」とか、「ファーから敵が来てる!」とか
伝え方は自由ですが、
“ファー詰めされそうな危険がある!”という事をFPに伝えましょう。

チームとしては、ファー詰めされたら、FPのマークミスのせいにする事は必要です。
FPにはマークミスをしないように努力させないといけません。

ただ、ゴレイロであるあなたは、自分のせいにしないといけません。
なぜなら、ゴレイロは、味方がしてしまったミスをカバーする職業だからです。

また、ファー詰めはどんなに努力してもされてしまう事が多いですし、
それがフットサルというスポーツです。
そして、ゴレイロにはファー詰めの止め方があります。

ゴレイロがコーチング(声かけ)以外で直接的に止める方法は、
「2」と「3」です。

 

● 2.ゴレイロが斜め前に足か手を伸ばして、パスカットをする。

次に紹介する「3」の方法が、
王道とされるゴレイロのファー詰めストップの方法ですが、
その前に、敵のファー詰め要因へのパスを触れるように狙いましょう。
この時にパスコースを狙っていることが敵のキッカー(パサー)にバレたり、
体重がファーに偏っていると、ニアにシュートされてしまうので、
ニアは我慢してキチンと体重を残しながら、
パスコースを狙いましょう。

 

● 3.折り返されたファー詰めシュートをブロッキングする。

上記の「2」が間に合わない場合では、
折り返されたファー詰めのシュートコースに入ることになります。
ゴレイロとしては、これがファー詰めストップの王道になります。

スペインリーグのゴレイロのファインセーブ集という有名な動画にも、
ファー詰めをストップしているシーンが沢山あります。

【解説】
・0:31~のシーン:
ファーにダイビングして、ファー詰めを手で止めています。
王道のファー詰めブロッキングの形ではありませんが、とっさの判断でしょう。
危険ですので、趣味レベルの方はあまりマネしないように・・・。
趣味レベルであるほど、敵のFPに怪我させられる事が多いのです。

・1:00~のシーン:
敵がニアから来たとしても、ファーに敵が残っている時は前に出ない!ゴールに張り付く!前回の記事で紹介しました。)この基本的な戦い方も完璧であり、さらにファー詰めのシュートコースに入っています。

・2:00~のシーン:
これも「敵がニアから来たとしても、ファーに敵が残っている時は前に出ない!ゴールに張り付く!」この方法で守られています。冷静です。

・2:37~のシーン:
前に出ず、ファー詰めに備えられています。
その上で、ファー詰めのシュートコースに間に合わない為に、
スライディングでブロッキングしています。
スライディング時には、身体の面積を広く活用できるように身体は立てていますし、
両腕も広げて面積を活用していますね。
このスライディングでのブロッキングもゴレイロの王道ですが、
練習を重ねなければとっさに出来る技ではありません。

・3:08~のシーン:
このシーンは、ファー詰めの王道と応用を兼ね揃えたスーパープレイです。
このシーンだけで、4つのスーパープレイが隠されています。
インターセプトを狙っていた為に、初めのポジションが高かったにも関わらず、
ファー詰めの危険を察知(1)して、
後ろに下がり、ファー詰めに備えました(2)。冷静ですね。

ここからが応用です。さらに、敵のファー詰めがダイレクトのシュートではなく、
トラップであると判断して身体のバランスを失わず、
ブロッキングで敵の動きに着いていきました(3)。
シュートブロックの後は、こぼれ球にまでブロッキングしています(4)。
これは脅威的です。これが、世界トップレベルのゴレイロです・・・。

 

(前回)<<サッカーのゴールキーパー出身によくある失敗(ファー詰めストップ編1)

(その他:サッカーのGK出身のゴレイロ向け)
サッカーのゴールキーパー出身によくある失敗(ゴールクリアランス編)
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